不妊治療

不妊症とは

一定の期間夫婦生活を行っているにもかかわらず妊娠しない場合を不妊といい、その期間を不妊期間といいます。定義では1年~2年とされていますが、治療をしなければ妊娠が成立しない場合を不妊症といいます。不妊期間が1年~1年半以上の場合は検査や治療が必要な場合もありますので、相談も含めて気軽に受診してください。

不妊治療には大きく分けると、一般不妊治療と高度生殖医療(ART/生殖補助技術)があります。 一般不妊治療は、ご夫婦の生活タイミングを調整するタイミング法や、排卵誘発法、人工授精(洗浄濃縮法:AIH)、その他薬物療法(漢方療法など)があります。人工授精は、子宮の中に直接精子を注入する方法。人工授精を含め、これらの一般不妊治療で、約半数弱の人が妊娠に至る数値があります。
お悩みの際は、まずは検査を行うことが第一歩となります。

不妊症の原因となるもの

不妊症の原因となるものは大きく女性側の原因と男性側の原因にわかれます。女性側の原因として以下の原因が考えられます。

  1. 外陰部、膣などが閉じている
  2. 子宮頚管炎(子宮の入り口に炎症をおこしている)、頸管粘液分泌不全(精子が子宮の入り口に侵入しにくい)
  3. 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮奇形、卵管通過障害
  4. ホルモンの分泌異常などによる、多のう胞性卵巣症候群、排卵障害、黄体機能不全
  5. クラミジア感染症などの感染症
  6. このほか原因不明、加齢、甲状腺疾患、糖尿病、肥満

不妊外来(妊娠を希望される患者様)の診察の流れ

不妊の相談で受診される患者様には、妊娠を目指してけれどもなかなか妊娠しない、まだ妊娠を目指し始めて間もないか、これから妊娠を目指したいけれど「妊娠ができるか心配」という方がいます。どちらも、まず基本的な検査を行ってから治療方針を決めます。一度も婦人科検診を受けたことがない患者様や、月経不順で「赤ちゃんが欲しい」と思ったらぜひ検査をお受けください。相談後にすぐに治療をするわけではなく、検査で大きな異常がないかを確認して不妊治療の計画を立てていきます。妊娠を希望される方は受診の際、検査よりも早く妊娠をと考える方が多いようです。しかし、いろいろな検査により原因を明らかにし、適切な治療を行う事が一番の近道だと思われます。

私たちのクリニックでは基本的な検査を行った上で、速やかに治療できるよう心掛けています。

検査と治療

不妊外来での主な検査

基礎体温(BBT)
基礎体温を測定することにより、①排卵の有無の判定、②排卵日の推定、③排卵誘発剤の効果判定、④黄体機能不全の診断、⑤妊娠の早期診断など超音波検査を組み合わせて行います。
約1か月の月経周期の中で、排卵を有する場合は排卵後に分泌されるホルモンにより低温相から高温相へと基礎体温が移行します。低温相と高温相の差が0.3℃以上あれば排卵していると判断します。また高温相が10日以上持続するか否かを確認します。低温相と高温相の基礎体温の差が0.3℃以内の時、10日以上高温相が続かない場合黄体機能不全を考えます。また高温相が続く場合は妊娠初期の判定にも役に立ちます。
受診時に基礎体温表をお渡しいたし、記載方法をお話します。
卵巣予備能検査
血液検査、超音波検査にて卵巣の機能を調べます。
  1. 血液検査にてLH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、PRL(プロラクチン)E2(卵胞ホルモン)など排卵に関与するホルモンの検査で、月経終了~排卵までの間に行います。
  2. AFC(胞状卵巣数):超音波検査にて両側卵巣の中にある胞状卵胞数を計測します。月経周期の3~5日目に採血します。
  3. AMH(血清抗ミューラー管ホルモン):卵巣予備能予測における検査で、血液検査にて測定します。
超音波検査
卵胞の発育状態や子宮内膜(受精卵のベッドとなる場所)の厚みを調べると同時に、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの病気がないか調べます。
卵巣内の卵胞は、月経周期により変化します。通常月経5日頃までに5~8mm程度の卵胞がみられ、その後排卵が近づくにつれて主席卵胞と呼ばれる代表の卵胞が1日約2mm程度大きくなります。約20mm前後大きくなると排卵します。排卵した卵胞は変形して黄体と呼ばれる組織となり、ここから黄体ホルモンが分泌されます。
子宮内膜も月経周期により変化し、卵胞から分泌される女性ホルモンにより徐々に厚くなり、排卵の頃に木の葉状のエコー所見を示します。排卵後はプロゲステロンとよばれるホルモンの影響で、超音波検査において全体的に高輝度とよばれる白くみえる肥厚像を示します。
その他超音波検査では、妊娠の妨げとなる子宮筋腫の「こぶ」がないか、子宮腺筋症のとよばれる子宮内膜症の病変がないか、卵巣がはれていないかなどの検査として行います。
  • 黄体機能検査
    排卵後に子宮内膜が正常に機能するか否かを診断します。予測した排卵日の5~7日前後に来院していただき血液検査にてプロゲステロンと呼ばれるホルモンとエストロゲンと呼ばれているホルモンの検査を採血にて行います。同時に基礎体温表において高温期に移行しているかを確認します。
  • 甲状腺機能検査
    女性において甲状腺機能の亢進や低下は、過多月経や無月経などの月経異常や不妊症の原因になり、事前にその異常を見つけることは大事なことです。月経3~5日目前後に採血します。
  • 高プロラクチン血症の検査
    もともと分娩後に乳汁を分泌させるためのホルモンですが、産褥期以外でプロラクチン(PRL)が高いと卵胞が発育不全、無排卵の原因になります。月経3~5日目頃に血液検査にて調べます。
  • 精液検査
    不妊症における男性因子の原因の一つで重要な検査です。専用の滅菌容器をお渡ししますので、4日前後禁欲しマスターベーションにて全量を採取し、容器に名前と採取した時間を記入し持ってきていただきます。その場で専用の計算盤(Makler計算盤)を用いて精子濃度、運動率を測定して結果をお話します。また残りの精液は、検査会社に提出して奇形率なども測定します。
  • Huhnerテスト(フーナーテスト)
    精子と頸管粘液の適合試験です。4日前後の禁欲後、排卵の頃の朝、または前日の夜に性交渉をもっていただき、来院していただきます。来院時に粘液を採取して顕微鏡で頸管粘液の量と性状、また運動している精子が認められるかを調べます。
  • 卵管疎通性検査
    造影剤や色素を使用して卵管の疎通性の有無を確認します。子宮内に専用のバルーンカテーテルを挿入し色素を使用して卵管が閉塞していないかを確認します。
  • クラミジア検査
    卵管性不妊症の原因クラミジア感染症が関与している場合があります。血液検査または子宮頸管の分泌物より採取して検査します。

当院でおこなっている主な治療

もし検査にて不妊の原因がわかった場合は原因に応じた治療が必要となりますが、特に明から原因がない場合でも、少しでも早く妊娠できるようにスタッフ一同サポートいたします。以下の治療は当クリニックにて行っている治療です。

タイミング療法
最も妊娠しやすい時期に、性交をしていただく指導をさせていただきます。
通常の性交において妊娠の可能性のある場合に、第一選択として行われる治療です。月経開始後10日目前後より超音波検査を行い、卵巣の内部にある卵胞(卵子が入っている袋)の大きさや子宮内膜の厚さを測定して排卵日を推定し、性交をいつとったらいいか決めます。必要に応じて尿中のLH検査も同時に行います。
人工授精(洗浄濃縮法)
タイミング療法にて妊娠に至らない場合に、次のステップとして行います。
具体的にはタイミング療法と同様に排卵日を推定し、人口受精を行う当日に精液採取用の容器に自宅にて採精していただき、容器に名前を記載して持参していただきます。その後約1時間15分ほどかけて精液を調整し、精子以外の細胞成分、細菌、ウイルス、運動性の低い精子を除去し精液を濃縮した状態にします。その後診察台にて、膣内を洗浄し専用の医療器具を用いて子宮腔内へ注入します。注入後は専用の部屋で15分ほど安静にしていただきます。
卵巣刺激・排卵誘発
卵胞の発育が不十分な場合、服用薬、注射にて排卵誘発を行います。
  1. クロミフェン療法
    月経周期の5日目から5日間、1日錠内服します。(保険適応は1日2錠までです)
  2. ゴナドトロピン療法
    クロミフェン療法で排卵に至らない場合、あるいは効果が不十分な場合に注射にて排卵誘発を行います。
男性不妊症に対する治療
不妊症の約20~30%前後は男性側にも原因があるといわれています。
  1. 特発性男性不妊
    漢方、ビタミン剤などによる治療
  2. 人工授精
  3. 勃起障害(ED)
    性交1時間前にバイアグラを服用していただきます。

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